FPハム子のブログ

2023年までにCFP6課目合格を目指すブログ

自動車保険 基本的な補償と保険料を安くできる要素

FPハム子です。

自動車保険について包括的に整理したので記事にしました。

リスクに応じて3つに分けられている補償と付随する特約の必要性、保険料が決まる色々な要素や割引制度を説明しています。

なお、保険会社によっては取り扱いがない割引もありますのでご注意ください。

 

 

自動車保険の基本的な補償は3つある

  1. 損害賠償に関する補償:法律上の損害賠償責任を補償する保険。対人と対物の2種類がある。
  2. 自分の身体への補償:車の搭乗者のケガや死亡を補償する保険。
  3. 自分の車への補償:車に対する損害を補償する保険。

 

1.損害賠償に関する補償

 対人賠償責任保険

他人を死傷させたときの賠償を補償し、自賠責保険を超過する部分が任意保険での支払い対象になります。

事故の相手は選べないのが対人事故の怖いところで、開業医を死亡させたり若い大学生を後遺障害状態にさせた場合の賠償金は億単位のとてつもない額になります。

そういった面で対人事故はリスクが高いので、保険金額は無制限がおすすめです。

ただし、配偶者など生計を一にする家族を死傷させた場合は『他人』ではないため、保険金の支払い対象外となります。

 

対物賠償責任保険

車同士の事故での相手の車、家屋や建物、踏切での電車衝突など、他人の物に対して発生する損害賠償を補償します。

自賠責では対物の補償がないので、対物事故の損害賠償には任意保険しか使えるものがありません。

対物事故は賠償責任が生じる対象が幅広く、自賠責も使えないので、こちらもやはり保険金額は無制限がおすすめです。

なお、対人賠償と同じく対物賠償についても、生計を一にする家族の物については『他人』ではないため、保険金は支払われません。

 

対物超過修理費用特約

対物賠償責任保険において事故の相手に支払われる保険金は、相手の車の時価額が限度です。

相手の車が古い場合は時価額が下がり、修理費が保険金限度額より高くなることがあります。

本来、時価額を超える部分の損害賠償責任は発生しませんが、相手が納得せず示談がモメる原因になりがちです。

この時価額の超過分を補填できるのが対物超過修理費用特約で、事故をスムーズに解決するのに役立つので付帯をおすすめします。

対物賠償責任保険に自動付帯している保険会社もあります。

 

弁護士費用特約(自動車事故型)

いわゆる「もらい事故」では自分に責任がないため、自分が加入している保険会社に示談交渉してもらえません。

こういったケースで加害相手に損害賠償請求をするために、弁護士に示談交渉を依頼する費用を補償する特約です。

怪我による損害賠償の計算基準は自賠責基準・任意基準・弁護士基準の3種類があり、弁護士基準が一番賠償金が高くなります

つまり、弁護士に示談交渉してもらうことにより支払われる保険金の額が上がるのです。

 

この特約に保険金額の設定はなく、弁護士費用は300万円まで、法律相談費用は10万円までといった支払限度額があらかじめ定められています。

家族で複数の自動車保険に入っている場合、どれか1つの保険に付帯しておけば家族全員が補償対象になるので使い勝手が良い特約です。

コスパの面でメリットが高い特約なので、付帯をおすすめします。

※弁護士特約には「自動車事故型」のほか、自動車事故以外の被害による弁護士費用を補償する「日常生活型」もあります。

 

2.自分の身体への補償

人身傷害保険

自動車事故による、運転者自身と同乗者のケガ・死亡を補償します。

対人・対物の損害賠償を受ける場合、損害額から自己の過失割合の分が除かれ、相手の過失割合の分しか支払われない「過失相殺」が行われますが、人身傷害保険ではこの過失相殺の概念がないので、自己の過失分を含めた損害分の保険金が支払われます。

そのため、過失割合を決める示談交渉や裁判が終わるのを待たずに済むので支払いもスムーズです。

 

また、契約時に定めた保険金額を上限として実際の損害額が保険金として支払われる

実損填補」という損害保険特有の性質により、生命保険や社会保障では不足する逸失利益部分を補えます。

逸失利益とは、例えば自動車事故でケガをして入院した期間に仕事をしていれば得られた給料や、自動車事故により後遺障害が残り労働能力が減少したために、本来であれば将来に渡って得られたであろう収入など、「被害者が本来得られたはずの利益」を指します。

生命保険の傷害特約は定額払いですが、人身傷害保険は実損払いなので逸失利益を補えるという訳です。

 

さらに、社会保障傷病手当金は収入の3分の2までしか保障されないので、その不足分もまさに逸失利益として補えます。

 

保険金額は3,000万円~2億円で設定できますが、補填の立ち位置なので最低の3,000万円で充分です。

 

なお、対人賠償責任保険』では支払い対象外となる、生計を一にする家族の事故によるケガ・死亡についても、人身障害保険では支払い対象になります。

例えば、が運転する車に同乗していたが親の起こした事故により死傷した場合、が加入している対人賠償責任保険からは支払われませんが、が加入している人身障害保険からは支払われるということになります。

※但し、他車搭乗も補償する特約の付帯が必要です。

 

3.自分の車への補償

車両保険

自動車事故による、自分の車の損害を補償します。

支払われる保険金は損害割合に応じたもので保険金額が限度ですが、事故の相手からの対物賠償分は差し引かれて支払われますので、車両保険として受け取れる金額はあくまで自己負担分です。

 

また、全損の場合に満額支払われる保険金額は、保険会社で定められた車両価格範囲内で設定されますが、毎年20%ずつ減価償却され金額が減っていきますので、購入から3年も経てば保険金額は当初の半分程度になってしまいます。

この時点で全損事故に遭った場合、支払われる保険金は心許ないものになります。

 

加えて、車両保険は使うことにより等級が下がり、その等級がもとに戻るまでの間は「事故有り等級」かつ「事故有り係数」がかかるため保険料が割高になります。

例えば3等級ダウン事故で車両保険を使った場合は、等級が戻るまでの3年間の保険料が上がると言うことです。

これにより、保険を使わない場合との保険料の差額は10万円以上にもなり、受け取る保険金以上の出費がかかり損をすることもあります。

 

車両保険を付帯しない場合、保険料は3割ほど安くなりますので、掛け捨ての保険料を払うより、その分を貯金するほうが流動性が高いです。

車両保険は支払う保険料に見合うほどの保険金が得られる事故に遭う確率は低く、等級ダウンを気にして保険を使わずに無駄な保険料を払うだけになるケースが多いので、基本的に付帯は不要です。

外車など大切に乗りたい車であれば、全ての事故を補償する一般条件ではなく、自損事故は対象外のエコノミータイプにすることで保険料を節約できます。

 

車両新価特約

上記の車両保険に付帯する特約で、事故による車の買い換え費用を補償します。

車を購入してから1年以内に車が半損以上(50%超)の損害を受け、修理をせずに車を買い替えた場合、損害割合ではなく保険金額を限度に新車購入費用として保険金が支払われます。

加えて、車を購入して2年目以降、保険金額が減価償却された状態で車が半損以上の損害を受け、修理をせずに買い替えた場合も、減価償却前の保険金額を限度に新車購入費用として保険金が支払われます。

 

しかし、車が半損以上の損害を受けるような大きな事故は、本人の無茶な運転でもない限りは相手の車がいる確率が高く、過失割合により相手の対物賠償から保険金が出る可能性が高いです。

また、買い換える車は新車であることが条件で、中古車の購入では保険金が支払われません。

 

車両新価特約の保険料は月額数百円程度でそれほど高くありませんが、その分特筆すべきメリットもありませんし、コスパの悪い車両保険の付帯が前提でもあるので、この特約の必要性は低いです。

 

レンタカー費用補償特約

事故・故障・盗難のために車を修理・買い替えする間に使用するレンタカーの費用を補償します。

通勤通学や送り迎えなどで毎日車を使っている人には有用な特約ですが、他の代替交通手段があったり、修理期間中もほとんど車に乗らないサンデードライバーなら、掛け捨ての特約保険料を払うより節約して貯金したほうがコスパが良いです。

レンタカーにかかる費用は貯金で賄える一時的な出費なので、基本的に付帯不要です。

人によって必要性が異なるうえ状況によっても変化するものなので、もし付帯するならこまめな見直しをすると無駄がありません。

 

その他、保険料が決まる要件と色々な割引

運転者の年齢条件

契約者の同居の家族のうち、最若年運転者の年齢によって保険料が変わり、21歳、26歳、30歳、35歳以上など、年齢が上がるにつれて保険料が安くなります。

年齢条件なし」と「35歳以上」の差額は年間10万円近くなるケースもあるので、後述の『運転者の範囲』とあわせて年齢条件の設定は必須です。

 

ちなみに、この年齢条件は生年月日データから自動で変更されたりはせず契約者からの申し出ベースによる変更手続きになります。

例えば保険期間中に子どもが26歳の誕生日を迎えたら、すぐに年齢条件の変更手続きをすれば、未経過分の保険料を下げることができます。

※年齢条件には、70歳以上になると高齢ドライバーとして保険料が割増される保険会社があるので注意です。

 

運転者の範囲

被保険者と同居の家族のうち、車を運転する人を限定することで割引が適用され、本人限定だと7~8%、夫婦限定は6%、家族限定は1%割引になります。

別居の親戚や友人など誰でも運転できる「限定なし」には割引がいっさいありません。

ちなみに上記の『年齢条件』と同じく、保険期間中に運転者の範囲が変わったらその時点で変更手続きをすれば、未経過分の保険料を下げられます。

 

被保険者の免許証の色

いわゆる「ゴールド免許割引」で、グリーン・ブルー免許に比べてゴールド免許は7~15%割引になります。

なお、このゴールド免許割引は、保険始期日時点において免許の色がゴールドの場合に適用可能な割引です。

上記の『年齢条件』・『運転者の範囲』と違い、保険期間の途中でゴールド免許に変わっても、現在の保険期間中は割引の適用はできず、満了後の更新契約からの適用になります。

 

車の使用目的

業務使用 → 通勤・通学使用 → 日常・レジャー使用の順に保険料が安くなります。

保険期間中に使用目的が安いほうへ変わったら、忘れずに保険会社へ手続することで未経過分の保険料を下げることができます。

 

年間走行距離

リスク細分型の保険では保険期間ごとの走行距離で保険料が計算されます。

年間走行距離が○千キロまで・○万キロまでと細分化されており、それぞれに料率が設定されています。

更新時に前年分の走行距離が規定に満たなかった場合、その差額相当分を割り引く「くりこし割引」の制度もあります。

 

インターネット割引

インターネットで新規契約手続きをすることにより、年間保険料に応じて2,000円~20,000円の割引があります。

同様に、インターネットでの継続手続き割引があり、こちらは1,000円~5,000円が割り引かれます。

 

web証券、ペーパーレス証券の割引

保険証券を紙ではなくweb上で閲覧する方法を選択すると、年間で240円~500円割引されます。

 

一日型自動車保険の無事故割引

「ちょいのり保険」や「ワンデーサポーター」といった一日型自動車保険を使った保険会社で自動車保険に加入する際、一日型自動車保険を無事故で使用した日数に応じて保険料が割引されます。

例として、一日型自動車保険を無事故で5~9日使用した場合の6S等級保険料は8%ほど割引になります。

 

テレマティクス保険の運転診断割引

保険会社のスマホアプリやドラレコによる運転診断の成績により、翌年の保険料が割引されます。

例として、6S等級で運転診断の成績が80~100点の場合、翌年7S等級の保険料は20%ほど割引になります。

 

指定修理工場の割引

事故で車を損傷した際の修理に保険会社が指定する修理工場を使用することにより、搬送や代車の費用が無料になったり、修理費用が10%ほど割引されます。

車の修理とはいえ、車両保険とは関連がない割引サービスなので、車両保険を付帯していなくても受けられる割引です。

 

ノンフリート多数割引

同一契約者で複数所有している車の保険期間を同じ日に合わせることで保険料が割引されます。

例えば2台所有している場合、1台あたり3%の割引になります。

 

セカンドカー割引

同一契約者が2台目以降の車の保険を新たに契約する場合、通常の6S等級ではなく1つ高い7S等級が適用され、6S等級の割引率4%に比べて7S等級は34%とかなり安くなる割引です。

上記の「ノンフリート多数割引」との併用も可能です。

 

団体割引

勤務先の福利厚生により、5%~30%の団体割引が適用できる場合があります。

契約者が勤務先の従業員であれば、被保険者が同居の家族でも団体割引は適用されます。

 

車に関する割引

新車割引、ASV割引、エコカー割引、福祉車両割引があり、数%の割引が適用されます。

 

まとめ:自動車保険の契約内容の決め方

  • 交通事故の加害者・被害者になったときに被る金銭的リスクを考える
  • 被るリスクを補償するために必要な保険の内容を考える
  • 保険でないと払えない金額か、自分の預貯金で支払いが可能か、リスクの大小を考える

 

自動車保険の保険料は等級や事故有係数のほか、車や人に係る料率が複雑に入り組んでおり、例えばヤリスという車種1つとっても保険料がいくらになるか一概には言えません。

その分、加入する人が必要な補償を取捨選択できる知識をもって保険を設計すれば、無駄やモレのない自分にぴったりの補償内容にできます。

 

掛け捨ての保険料は固定費として負担が大きいものなので、どこまでを保険でカバーするか見極め、預貯金で対応できる部分は保険料を節約すれば、掛け捨てする部分は減ります。

 

保険の有無にかかわらず、また自動車に限らず予想外の出費は必ず発生するものです。

他の保険や預貯金や投資など、お金自体もバランスよくリスク分散することが、保険だけでは得られない安心に繋がります。