FPハム子のブログ

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個人年金保険は何のためにあるのか

FPハム子です。

 

今回は、生命保険会社の商品『個人年金保険』について記事にしました。
具体的な商品名を例に挙げて特徴を説明していますが、FPとして考えた結論は、
個人年金保険は要らない保険」
というお話です。

 

2月からWEBライターの仕事を始め、今まで以上に保険商品について調べまとめる機会が増えました。
先日も個人年金保険の記事を作成予定だったのですが、先方の都合によりお仕事が白紙となってしまい、せっかく調べたことなのでブログ記事にした次第です。

なお、この先方の都合というのがいわゆる悪質クライアントに該当する案件だったので、この体験もいずれ記事にして少しでも誰かの役に立てたらと思っています。

 

 

個人年金保険とは

「いらない」前提でお話するため、概要だけ簡単にまとめました。

 

個人年金保険は、老後の生活費に備えるための保険です。
2019年に総務省が発表した「家計調査報告書」では、高齢者の1ヶ月あたりの生活費について、夫婦世帯では3万3269円、単身世帯では2万7090円不足するとされています。
老後の生活にかかるお金を公的年金だけで賄うのは困難なため、この不足分を埋める私的年金として販売されているのが個人年金保険です。

 

商品の種類と選び方

各保険会社の商品を例に挙げて、保険の内容を解説します。
※納品用に書いた記事をそのまま流用しています。

 

日本生命「ニッセイみらいのカタチ 年金保険」(円建て)

  • 円建てでリスクが低く、返戻率は平均的だが配当金があり、据え置きで運用されるため貯蓄性が高い。
  • 加入年齢が7歳~65歳と長期で、払込期間を自分で決められる。
  • 年金受取方法の選択肢が豊富で実際に受け取るときに選択できるので、ライフスタイルの変化にも対応できる。
  • 第1回目の年金支払日を最長5年間繰延べ可能。
  • 所定の用件を満たせば個人年金保険料税制適格特約を付帯可能。
  • 三大疾病にかかった場合、以降の保険料の払込が免除される保険料払込免除特約を付帯可能。

他社ではあまり見られない配当金の存在は大きな魅力です。また、払込期間を自分で決められるのでライフプランも立てやすいです。

 

マニュライフ生命「こだわり個人年金(外貨建て)」

  • 積立金は米ドルまたは豪ドルを契約通貨として運用するため、円よりも高水準な金利を活用した運用成果が期待できる。
  • 積立利率は年1.5%が最低保証され、毎月更改することで金利の変動に対応している。
  • 保険料の払込みは月々1万円から、ドルコスト平均法でコツコツ資産形成、また家計の状況にあわせて保険料の減額や払込の停止・再開が可能。
  • 告知や医師の診査が不要で契約申込み手続きが簡単。
  • 所定の用件を満たせば個人年金保険料税制適格特約を付帯可能。
  • 年金種類は確定年金(5年・10年)のほか、保証期間付終身年金(保証期間10年)も選択できるため、長い老後も安心。
  • 年金の受取方は、契約通貨建てと円換算どちらでも可能。
  • 円建年金支払開始自動判定特約により、為替差損の影響を受けずに円換算した年金を受け取れる。

外貨建ての高い金利を生かしながらも保険料の払込は家計の変化に対応でき、受取のタイミングも自動判定、大切な資金を効率よく運用できます。

 

ソニー生命「変額個人年金保険(無配当)」

  • 8つの特別勘定(ファンド)の資産運用実績に応じて年金額が増減する。
  • 各ファンドの繰入比率は1%刻みで設定でき、払込期間中はいつでも変更可能。
  • 積立金は、いつでも他のファンドへ移転が可能(年12回まで)。
  • 支払う保険料は一定で、高度障害など所定の状態になった場合は以降の保険料の払込が免除される。
  • 年金支払開始日前に余裕資金を一時金として払い込むことで、積立金額を増額できる。
  • 運用益がある場合は引き出すことができる(年2回まで)。
  • 急な資金が必要になった場合、契約者貸付が利用できる。
  • 保障部分に支払う保険料が少ないため、効率的な資産運用ができる。

余裕資金を積立金額に増額できることで資産を増やすのはもちろん、急な資金が必要になったときに運用益の引き出しや契約者貸付が使えるのは大きな安心があります。

 

個人年金保険の選び方フローチャート

※こちらも納品用に作成した図をそのまま流用したため、記事に記載予定だった他の保険商品も入っています。

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個人年金保険特有のリスク

「いらない」前提なので説明するまでもないリスクですが、他の投資型の保険商品にも同じことが言えるので参考までに解説します。

※こちらも納品用に書いた記事をそのまま流用しています。

 

  • 返戻率:払い込んだ総額保険料に対して、総額の年金がどれくらい受け取れるかの割合を示します。「年金受取総額÷保険料支払総額×100」で算出できます。外貨建ての保険は総じて高めですが、円建ての保険でも105%以上あるのが望ましいところです。
  • 為替差損リスク:外貨建ての保険に付きもののリスクです。保険料を一度に払い込む一時払いは為替レートが固定されるため、為替差益を狙えると同時に為替差損のリスクも伴います。このリスクを避けるには保険料を月払いにできる保険を選ぶことです。これにより為替レートが平準化され、ドルコスト平均法の効果でリスクを軽減できます。また、保険金受取時には日本円ではなく外貨のまま受け取ることでも為替リスクを回避できます。
  • 特別勘定の投資リスク:変額保険は定期保険とは異なり「特別勘定」で資産運用されるため、投資リスクによる元本割れの可能性が生じます。ですから、変額の個人年金保険は運用実績によって年金支給額が変動します。このリスクを避けるには、年金原資・年金受取総額に最低保証がついている商品を選びましょう。
  • 保険金受取時の所得税:保険契約者と受取人が同じ場合、受け取る保険金は所得税の課税対象になります。一括受取の場合は一時所得扱い、年金受取の場合は雑所得扱いです。年金受取にした場合、一括で受け取るよりも保険料の総額は多くなりますが、公的年金等控除の枠が使えないため差益部分に所得税が課税されます。せっかく増やした老後の生活資金が目減りしないよう、受取時の所得税をシミュレーションしておきましょう。

 

まとめ:個人年金保険はメリットがないので要らない

個人年金保険という商品の真の目的は、契約者の資産形成ではなく保険会社が資産運用するための資金集めです。
この目的のため、保険会社から募集人や募集代理店へ支払われる手数料も高く設定されているので、保険相談でおすすめされる確率が高いのです。

 

特に変額個人年金保険は、やっていることは投資信託ですから保険の皮を被っただけの投資にすぎません。
商品としては保険・投資どちらも中途半端で手数料ばかり高く、リスクを負うのは契約者というデメリットばかりです。
外貨やファンドといった単なる仕組みを、さもメリットのように謳っているような商品は、実際のところ大した中身はありません。
死亡保障は保険で、資産形成は投資で、資金を盛るカゴは分けるのがリスク対策の基本です。

 

定額の円建ての商品も、利回りは低いですしインフレにも弱いですから、やはり保険としても積立としても今ひとつです。
老後資金の積立を目的とするなら、つみたてNISAiDeCoのほうがよほど積立効果も節税効果も高いです。

 

さらに、個人年金保険必要なときに現金に換えられる『流動性』が低い商品です。
毎月の保険料は決して安くはないので家計の固定費が高くなり、解約するにも支払った保険料より返戻保険料のほうが低い、いわゆる元本割れになります。


60歳の受取開始まで解約できないのはiDeCoも同様ですが、iDeCoは掛金を最低5,000円まで調整可能、その支払いも困難になった場合は『加入者資格喪失届』の手続きを経て一時的に掛金拠出を停止できるので、個人年金保険より流動性が高いです。

 

色々組み合わさっていて難しいけど何だか凄そう…というものは、複雑な仕組みをメリットに見せかけているに過ぎませんから、保険に限らず買うべきではありません。

上記の保険商品説明やフローチャートなど、自分で作成しておいて何ですがまさに単なる仕組みをメリットとして盛っているだけです。

稀少などと言い張る謎の材料でできた料理を食べるようなものですから、自分で調べ考えて理解し納得できるものを選ぶことが大切ですし、選ばないという判断も必要です。

 

唯一、『お宝保険』と言われるバブル期に契約して30年は経っているような個人年金保険は、利率が高く充分に元を取れるものです。
デメリットとしては、受け取る時の所得税や公的保険料が上がることでしょうか。

 

ですが、以前の記事で取り上げた『老後レス』の世代が60歳を過ぎる頃には、公的私的問わず年金だけで生活できる時代は終わりを迎えているでしょうから、資産形成だけでなくライフプランニングの根本的な意識改革が必要だと考えます。

 

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